小 熊 座 2026/6    No.493 当月佳作抄
TOPへ戻る  INDEXへ戻る

当月佳作抄 2026年6月 No.493

ムツオ推薦

戦火とは使えぬ炎目刺食う
渡辺 誠一郎
起し絵のような墓標に春の月
沢木 美子
痩せ牛の背にはなびら護符のごと
植木 國夫
忍びがたきを忍び国花は病ひたり
仁藤さくら
蜘蛛の囲のしづかなる息夏来たり
川口 真理
ねちねちと言ふこと言ひて桜餅
津髙里永子
海苔あぶる海のうねりを戻すかに
小田島 渚
乗り捨ての自転車ならん鳥雲に
大澤 保子
眸の中に那須の星棲む仔馬かな
龍 太一
祖霊在す春田黒々黒々と
平山 北舟
地震あればみちのくのこと飛花落花
曽根 新五郞
藤浪の浪に現る墓一基
蘇武 啓子
空一面心幾重に春愁
岡田とみ子
幾たびも愛を叫んだフィルムの雨
𠮷野 和夫
桜吹雪兵士の言葉やもしれぬ
髙橋 薫
稚児一人泣いてしゃがむも花まつり
𠮷野 秀彦
水晶体みづから濁り養花天
佐川 盟子
老いすでになんじゃもんじゃの花となる
大西 陽
胎盤の完成すれば飛花落花
木村 菜智
眼に沁みて眼よりはみだす若葉かな
江原 文
念のため探す去年の風邪薬
佐藤 真理子
柿若葉ならばこっそり口づけす
髙野 香
三・一一人家の跡に蘆の群
伊藤 一二三
ポンペイを想うて春の泥となる
碧 西里
嬰児にもきのうの歴史夏近し
坂下 ゆず
パソコン上表記出来ない文字は書き換えています
  copyright(C) kogumaza All rights reserved