小 熊 座 2026/5    No.492 当月佳作抄
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当月佳作抄 2026年5月 No.492

ムツオ推薦

斧足類が舌にて奔る砂干潟
増田 陽一
女性史の始めは麻の貫頭衣
沢木 美子
巡礼の白にならむと朴の花
仁藤さくら
王維の詩春の終りの木々鳴らし
川口 真理
ほとけのざ密生永久に除染土なり
須﨑 敏之
通りやんせ蛇の大八頭を擡げ
小島ノブヨシ
虹淡く太し麒麟の首長し
津髙里永子
生きている自分が怖し春浅し
冨所 大輔
青空は宇宙へつづき牡丹の芽
髙市 宏
目刺焼くガザの飢餓など知らぬげに
植木 國夫
少年に化粧の匂ひ蛇出づる
佐藤 茉
花びら浴ぶわが魂のレコンキスタ
𠮷野 和夫
人形は顔がいろいろ桃の花
遅沢いづみ
墨東のかつて火除地朝桜
林 喜久子
わたくしの子宮に詰める春の月
中村すじこ
檸檬忌や脱いだ靴下丸まって
千葉 和珠
燕眼で追う詩心とは何か
一関なつみ
春吹雪芯の無くなるやうに止む
村 一草
春の夜の標本の翅累累と
斎藤真里子
孵る卵と孵らぬ卵春の星
檜野美果子
雪原に日輪子供に喉仏
山本 勲
透明の傘に昨日の春の虹
角一 恵
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