小 熊 座 2022/6    №445 当月佳作抄
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     2022/6   №445   当月佳作抄

                             ムツオ推薦


    眼裏は重たし春の海もまた             日下 節子

    蕗の薹兵器に満つる星なれど           須﨑 敏之

    生涯のおまけと思ふさくらかな           八島 岳洋

    死ぬまでにもうひと踏ん張り花通草        沢木 美子

    うれひにも嵩あり落花積める如           我妻 民雄

    木に木霊声に言霊青き踏む             冨所 大輔

    時なしのマスク賑はふ花大根            水戸 勇喜

    黄金町日ノ出町へと花筏               杉  美春

    消費するのみの毎日春ショール           竹中美千代

    春の雲ゆつくり流れ物忘れ             瀨古 篤丸

    花の雨我も令和の避難民              水月 りの

    球春や古いやかんにお湯が沸く          遅沢いづみ

    大方は心音ねむる猫の子は            佐川 盟子

    クロッカス一列上空にヘリコプター         髙橋  薫

    長閑とは血を見ぬことか出鱈目か         岡本 行人

    花屑の根元を離れざる日暮             松岡 百恵

    手に表裏のありけり花疲れ             𠮷沢 美香

    荒ラ荒と蝶の動体視力かな             春日 石疼

    揚雲雀大地に爪を置く重機             上田由美子

    やあと手を挙げし埴輪や蝶の昼          平山 北舟

    花ばかり見てきてうまし家の水           阿部ゑみ子

    両岸を挟めて花の合掌す              後藤よしみ

    春の雲恐竜だつて飛べたのに           林   衿

    天上の誰の衝羽根ぼたん雪            小川たか子

    クロッカス群がり咲いて無所属           阿部 貴美





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