小熊座 句 集
 稲の香  佐藤みね
      


朔出版
定価 2200円+税

    
 『稲の香』    佐藤みね


 佐藤みね(さとう・みね)

 昭和16年  宮城県生まれ
 平成13年  古川あしかび会入会
 平成18年  「小熊座」入会
 平成21年  「小熊座」同人
 平成25年  第一句集『薫風』(ふらんす堂)上梓
 現在 「小熊座」同人  現代俳句協会会員
     宮城県俳句協会会員  宮城県芸術協会会員

 


   高野ムツオ 帯(序)より 


   本集は、亡き子とともに、また家族や友とともに農に生きる作

 者の五感による、森羅万象との豊かな対話の記録である。




   
高野ムツオ選 十二句


  新緑の闇より届く汽笛かな

  詩才なき五体ながらも更衣


  熊の皮剥がされ湖の澄みにけり

  もしかして樹液の音か月涼し


  
寒星の一つに住みて明日を待つ

  夕霞木霊の返事遅くなる


  流星や宙のどこかに皺ができ

  一粒の花種の上青い空

  稲の香の溢れる道を夜勤明け

  凍豆腐またたく星と息あわす

  砂山のなんども崩れ三月へ

  夕焚火みな少年の眼で笑う





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