小熊座 句 集
 うさぎの話  栗林 浩
      


角川書店
定価 2400円+税

    
 『うさぎの話』    栗林 浩


 栗林 浩(くりばやし・ひろし)

 昭和13年  北海道生まれ
 平成10年  俳句を書き始め、年に「握手」(磯貝碧蹄館主宰)に
        参加
 平成17年  第7回俳句界評論賞受賞
         
  現在、俳句評論を書くため、多くの句会に出席し、学習させて戴い
 ている。
 「円錐」(澤好摩代表)、「遊牧」(塩野谷仁代表)、「街」(今井
 聖主宰)、および「小熊座」(高野ムツオ主宰)の各結社の同人
 現代俳句協会会員、公益社団法人俳人協会会員

 


   語り口はやさしく穏やか、ときにメルヘン的、ときにユーモラス

  だが、鋭い批評の光が言葉の背後から多重に差し込んでくる。そ

  の光こそ栗林浩の俳句の魅力である。

                  高野ムツオ 帯(序)より 




   
高野ムツオ   十句選


  月並みのされど母校の桜かな

  絨緞に沈む足裏憂国忌


  行く夏のからとむらひか沖に船

  耕して天に到りて還らざる

  鼻に入る海水痛し敗戦日

  広島の地べたが火照る夜の秋


  トンネルの上に海あり天の川

  アーリントンの万の墓石鳥帰る

  くちびるといふ春愁の出口かな

  防人の文を焚く火ぞ不知火は





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