小 熊 座 2013/2   №333 当月佳作抄
TOPへ戻る  INDEXへ戻る






     2013/2  №333   当月佳作抄

                                   ムツオ推薦


    橙に大和の闇のみつしりと                上野まさい

    年暮るるいつも昨日の神田川              平松彌榮子

    生きんとす冬木一本あれば尚              土見敬志郎

    寒禽の嘴津軽あいや節                  矢本 大雪

    出羽根雪歌祭文の小屋が開く              阿部宗一郎

    水神の鈴緒の傷み冬深し                 大澤 保子

    虎落笛肩寄せ会いて木ぼこたち             千田 稲人

    薄紅凩に色ありとせば                   柳  正子

    息白くまだ見送りの側に居る               冨所 大輔

    熱燗や忘れても良い話して                関根 かな

    寒林へ耳から先に入りけり                髙橋 彩子

    余命ある限りの苦笑息白し                山田 桃晃

    いつかは見える散る星くずも風の香も          菅  邦子

    鉄塔は冬木となってみたかった              千倉 由穂

    みみずくの瞳黒インクの純度               山本美星子

    狂気とは赤紙の色開戦日                 大久保和子

    波の花人に飛び付き溶けて死す             宮崎  哲

    永遠の原子配列冬銀河                  内山かおる

    大地震を知らずに生きて車椅子             菅原みよ子

    川涸るるいぢめられたかいぢめたか           佐藤  茉

    風よりも速しと落葉地を走る                日下 節子

    冬の虹重機の爪の届かざる                小野  豊




  

パソコン上表記出来ない文字は書き換えています
  copyright(C) kogumaza All rights reserved