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2009/11 bQ94 当月佳作抄
ムツオ推薦
みづからの声に覚めゐし冬の虫 木村 えつ
滝しぶき浴び幻を掴めさう 中井 洋子
悪たれもげんこつ山も夏の果 浜谷牧東子
秋署し鋼ぴかりの山の墓 浪山 克彦
炎天や頭垂れぬは遺影のみ 吉野 和夫
蟷螂の斧学徒兵空へ発ち 古山のぼる
神の声聞きたる静止青条揚羽 山本 源
これが僕の骨だと夏の逝きにけり 増田 陽一
朝顔の咲くときちさき息を吐く 武田香津子
鳥には鳥木には木の影秋うらら 小笠原弘子
吾子座るいわし雲より降りてきて 松岡 百恵
人間にまぎれもなしと曰向ぽこ 福原 栄子
雀らの影ちりばめて水澄めり 佐藤きみこ
木苺や山の端に海見えて来る 佐伯 秋
縄文の孤児の足形月を見る 俘 夷蘭
薮枯らし独居老人と同居 八島 岳洋
軽くなったら乗せてくれると秋の雲 岩井 夕力
鱗雲女川湾を発ちがたく 中村すみ子
今という光動かす鰯雲 澤邉 美穂
無月には無月のにおい海探し 松本ちひろ
下野の闇の平らや合歓の花 牛丸 幸彦
恋多き神造りしか曼珠沙華 清水 智子
金婚のとうに過ぎたる茜雲 尾形 昭子
碗ひとつ袱紗いちまい秋の声 さがあとり
波音は縄文の声小浜菊 伊澤二三子
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パソコン上表記出来ない文字は書き換えています
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