小 熊 座 2009年2月 当月佳作抄
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   2009年2月 当月佳作抄   ムツオ推薦


 地底から青があっまる竜の玉        白田喜代子

 上がれとも言わぬに誰ぞ冬座敷      平松彌榮子

 噴石の冷めたるかたち大海鼠        八島 岳洋

 冠雪の蔵王の霊気小草にも         高橋 昭子

 鷲なら吹きすさぶべし鬼房忌        土屋 休丘

 六林男忌の荒星はじく連結音        浜谷牧東子

 朝市のここにも婆の股火鉢         菊地 巴洸

 臭に聞け月光の手触りは          土屋 遊蛍

 首ふつて雪よぶ会津ペコ一頭        菊地乙猪子

 少年の明るさ冬の東北は           渡辺 規翠

 母はもう藁の匂ひとなりて冬         田中 哲也

 開戦日知らずレノンの忌を知らず      渡部州麻子

 林檎買う岩手に小鼻ほど入り        平川よし美

 空映すために林檎は赤くなる        佐藤 成之

 舟揚げて海の残れる冬至かな       山田 桃晃

 神割崎の怒涛を胸に山眠る         遠藤のぶ子

 冬星の一つを加え齢とす          松本 廉子

 葉牡丹の渦から湧きし母の唄       吉本みよ子

 立冬のくさびとなりて次郎杉        太田 幸子

 寒の木瓜歯をくいしぼることばかり    沢木 美子

 冬芽には冬芽の光古戦場         永野 シン

 落葉降りしきる日本書紀の中       田中 麻衣

 年の暮亡き人よりの京干菓子       斎藤ふく子

 沼底を知り尽くしたる鴨の顔        佐竹 雅士

 どこにでもある沼なれど鴨の陣      安海 信幸

 ごま塩のおにぎりとなり山眠る       宇津志勇三








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