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2024/7 №470 当月佳作抄
ムツオ推薦
浮島の浮を忘れし春のくれ 渡辺誠一郎
テレビ消し暗黒面の青葉騒 増田 陽一
年寄りに限界はなし新樹光 山田 桃晃
いくたびも捨田に通ふ夏燕 平山 北舟
陽炎の己が重心さがしつつ 久保 羯鼓
最も遠い姿に化身した蛇か 佐川 盟子
夏の星死んでも会へぬ人のゐて 関根 かな
今日からは死者棲む家や鉄線花 春日 石疼
うらわかき棘こそよけれ梅雨きざす 川口 真理
しやうもない国とはいへど姫女菀 瀨古 篤丸
スカートの裾たくし上げ夏に入る 千葉 和珠
人は皆生ゴミとなり梅雨に入る 岡本 行人
田水引く銀河の下流域域の村 龍 太一
父は海市母は陽炎わが伝記 武良 竜彦
寒暖異変ひこばえは如何生きる 水戸 勇喜
わが闇のどこ破れしか黒揚羽 布田三保子
映さねば見えぬ我が顔生ビール 伊藤 浩子
何となく胸乳に触れて散る牡丹 佐藤 和子
夏蝶のおしゃべり仏陀お見えらしい 中村すじこ
紅テント黒南風に立ち滔滔と 川名まこと
億年の五月雨染みている化石 木村 菜智
ハンカチの木の花産着の水通し 檜野美果子
手鏡になだれこみたる祭かな 羊 洵
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