小熊座 句 集
 鸚哥の唄  塚本万亀子
      


朔出版
定価 2200円+税


    
 『鸚哥の唄』    塚本 万亀子


 塚本 万亀子(つかもと まきこ)

 昭和14年  宮城県登米市生まれ
 平成 9年  「ぬかご」入会、前野雅生主宰に師事
 平成12年  ぬかご新人賞
 平成20年  ぬかご賞(のち、「ぬかご」終刊)
 平成21年  埼玉県狭山市より宮城県仙台市に転居
 平成22年  河北カルチャー「これからの俳句」受講
          「小熊座」入会、高野ムツオ主宰に師事
 現在 「小熊座」同人

 


  海の日や見えざる海に手を合はす


     万亀子さんにとって俳句を作ることは、

     最愛の息子とともに生きることであった。

     俳句は命のありようを映し出す器なのである。

                         
高野ムツオ



   
高野ムツオ選 十句


  どんどの火闇の上にも闇があり

  常のごと春の星生む地震の空


  咲くほどに花の無言の語り満つ

  猫の子をつひに抱きあぐ下校の子


  
たちまちに山影迫る秋

  露寒や鏡のやうな峡の空


  遺されしことも忘れて日向ぼこ

  鳥籠の空のままなり旱星

  はやばやと星のまたたく白露かな

  風花の睫に触れて暮れにけり


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