小熊座 句 集
 SMALL ISSUE 栗林 浩
      


本阿弥書店
定価 1500円(税込)

    
 『SMALL ISSUE』    栗林 浩


 栗林 浩(くりばやし・ひろし)

 昭和13年  北海道生まれ。大学では理系を選び、民間企業に
 てエネルギー環境分野の技術開発・プロジェクト遂行に携わり、一
 線を退いてから俳句に集中、現在に至る。
 「円錐」(澤好摩代表)、「小熊座」(高野ムツオ主宰)、「街」
 (今井聖主宰)、「遊牧」(清水伶代表)の同人。現代俳句協会会
 員、俳人協会会員。
 著書に『俳人探訪』(続、続々、新を含め四著)、『京大俳句会と
 東大俳句会』、『澁谷道−その作品と人』、『俳句とは何か』、『昭
 和・平成を詠んで』など。句集に『うさぎの話』。
 ている。

 


   四つの結社に所属するほか、他の結社や超結社の多数の句

  会にお邪魔し、いろいろな俳句を勉強させて戴きました。ですか

  ら、多くの主宰・代表・俳友の影響を受けているものと思います。

  しかし、どれもが私の作品であります。

                   (「あとがき」より)




   
[記憶の十二句]


  野遊びの子らに達磨はすぐ転ぶ

  洟垂れのみんな離れてチューリップ


  梅の実の太るはやさの怖ろしき

  ジプシーの子沢山屋台の青バナナ

  ががんぼはとまつてはじめてががんぼ

  今年また柱の増ゆる原爆忌


  障子貼る糊が余ってしまひけり

  わたくしを捜す放送秋の暮

  北駅の朝顔青しパリ青し

  東京は花なき剣山銀杏散る

  数へ日の街に熊出て撃たれけり

  着膨れて立売の手に「BIG ISSUE」






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