小 熊 座 2022/12    №451 当月佳作抄
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     2022/12   №451   当月佳作抄

                             ムツオ推薦


    水澄むや折笠美秋の土踏まず            渡辺誠一郎

    筆塚のうしろより海霧湧いてくる           阿部 菁女

    爽籟や眠りの深き荒脛巾              土見敬志郎

    秋風に乗りて人形焼届く               永野 シン

    流星の尾に触れたるか眠られず            日下 節子

    幻のたたらの炎雁帰る                土屋 遊蛍

    鹿・狐居るにはゐるが透明なり            増田 陽一

    秋風を摑んでみれば朽墓標               沢木 美子

    ジャポニスムこの道のえびかづらなら         瀬古 篤丸

    揺るるたび幼霊の影蘆の花              平山 北舟

    百合匂ふ裸形のイエスより知らず            斎藤真里子

    蜻蛉の翅は震へるステンレス             佐川 盟子

    新じゃがの窪みをしあわせだと思う          佐藤 成之

    巣食うとう集い方あり秋灯              千倉 由穂

    ぎす籠のどこに置いても鳴いて鳴いて         佐藤  茉

    詩の神のふんわり座る櫓かな             上田由美子

    おしろい花孤独は水には溶けぬ            草野志津久

    木の実落つ一人気ままに決めてきた           大坂 宏子

    落葉には飛翔のかたちすでに無し           森  青萄

    子に摑まれぐんと大きくなるやんま          阿部ゑみ子

    戞戞と鶏頭歩きはじめたり               兵藤 康行





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