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鉄片の熱さとなりて秋の蝉 |
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主宰入選句 肝っ玉転がす話大暑かな えつ 主宰・軽味の楽しさ。 土塊なり夏終電の少女たち 哲也 主宰・土塊で決まった。現代風俗の批判、世相を捉えている。 夏雲のまま孔版社倒産す 敏之 主宰・「夏雲のまま」に悲しみがある。 劣化ウラン爆弾てんと虫だまし 民雄 主宰・てんと虫だましが良かった。 |
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主宰入選句 空蝉に縋られて世に容れられず 彌榮子 主宰・淋しみの句。 昼顔が夢の中から伸びてくる 喜代子 主宰・「夢の中」ではなくもっと意外性があった ほうがいい。 なめらかに秋来る予感管楽器 廉子 主宰・管楽器の光りと秋のくる感じがよく 合うが上五が少し気になる。 |
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主宰入選句 晩年や蚊帳吊草の揩スけて 彌榮子 主宰・蚊帳吊草の一つの見方だが上五と付いている。 向日葵の首剥きだしの驟雨かな 哲也 主宰・向日葵の少し垂れた首に降る 驟雨の感じを掴まえている |
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逆光に弾力をつけしみんみん 洋子 敗戦忌いびつな麺麭を鷲掴み つねお この地球(ほし)を蟻の星とぞ伝へ聞く 鬼奴多 やぶからし這ひのぼるなり書肆の棚 陽一 青水無月河童の皿の話など 淑子 蛍籠周りの闇を淋しくす 森衛 |
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主宰からの総評 作品はバライティに富んでいるがバラツキがある。 知的操作の小細工で乗りきるのは無理。比喩は 映像のイメージ化してゆくこと。俳句は身辺にある ものをコラージュして作る。 −TOP− |