2004/10/17  小熊座二〇周年 七ヶ浜有志吟行
2004年10月17日(日)七ヶ浜町・御殿場にて



浜菊は浜菊のことを語りおり         ムツオ

馬放の秋白からん砕け骨           睦郎

風聖
(きよ)らなりサーファーは黒き飛蝗(ばった)飛弾男

秋うらら鐘撞くきにくる多聞天        克彦

敷石は魚の形あきあかね           誠一郎



高橋睦郎選

御殿崎晴れきらきらと赤とんぼ                      武田香津子
  (睦郎・きらきらが秋の感じを捉えている)

天高し歩いてこいと水平線                        上野まさい
 (睦郎・良い句として残る)

高きに登る七ヶ浜るるるるるり                       中井洋子
  (睦郎・下五が秋の澄んだ感じを伝えている)



主宰特選

天高し歩いてこいと水平線                       上野まさい
  (主宰・断定のよさが感じられるよい句)

茨の実海の力を引きよせて                       武田香津子
  (主宰・中七が観念的だか、満潮引潮のダイナッミックさが捉えられ)
   小さい茨の実と対象でより感じられる)

毀るるものなにもなき背高泡立草                    大澤保子
  (主宰・泡立草の生命力がよく出ている)


主宰秀句

崑崙に生まれし秋の蝶なるか                      大澤保子

紅葉かつ散れり鬼房待つ岬                       佐藤きみこ

海光の化身となりし赤とんぼ                       高橋昭子
   (主宰・句として作り過ぎたがよく捕まえている)

主宰入選

海彦の伝言ならむ小鳥来る                       小笠原弘子

晩秋の港の奥の魚の息                          下野山女

眼裏に波音こもる神無月                         早乙女未知

松島の捨子の島を抱く秋                         越野宇良

高きに登る七ヶ浜るるるるるり                       中井洋子

秋澄めり馬放島と聞きてより                       田中哲也

ここは秋高橋睦郎と女郎蜘蛛                      佐藤成之

サーファーは煌めきの魚冬隣                      土屋遊蛍

沖の船すぐそこの船秋うらら                       中井洋子





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